凍傷の記録

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火打山に行ったときに受傷した凍傷について記録しておきます。





状況
初日暴風雪の中シブタミ川源頭を渡り三田原山までシール歩行。時折体が倒されるほどの風速だから20mは超えていたと思う。山頂は風雪が激しいため第三尾根まで下りシールを剥がす。黒沢池を越え黒沢基部まで滑走するのが常套手段である。ここをシールで行けば下りラッセル必至で時間ばかり取られるだろう。
黒沢岳基部で茶臼岳のコルに登り返すためシールを貼る。F君がシールを貼るのに手間取っている間に水分と行動食のパンを食べる。なんとかスタートしコルを目指すが1/3も登らないうちにF君にシールトラブル(CT40)。風雪の中での作業はかなり厳しいがスキーバンドとガムテで応急処置。歩き出して20歩くらいだろうか再びシールトラブルで一緒に作業を手伝う。この時バラクラバをしていたが風上側の左目横から頬にかけて刺すような痛みを感じたと同時に手足の指も無感覚になったが何時ものことだと考えていた。
かなり時間が掛かったがなんとか処置し小屋へ向かった。この場所から小屋に入るまで1時間以上は掛かったと思う。小屋に到着し一番にブーツを脱ぎダウン上下シューズを着用。まずは体の保温を優先しての行動を取った。

バラクラバを脱いで同行者に見てもらうと左眉上から頬まで黒ずんでいるとのこと。完全に凍傷である。酷いところは水ぶくれが破れ体液が滲み出してくるのでバンドエイドで押さえる。足指は10本とも感覚は戻らない。手はマイナス25度対応のグローブのお陰で麻痺することは無かった。
翌朝起きると左頬から耳下に掛けて体液が固まっった痕跡がざらついて残っていた。体液の滲み出しは少なくなっていた。二日目4時半風雪の中火打山へ向かった。気温およそマイナス20度。体感温度マイナス25度程度か。ネックウォーマーを頬まで上げたお陰か受傷した部分は悪化しなかった。その日は穏やかな気象となり下山まで寒さを感じることはなかった。

問題点と対策
新しいブーツの爪先が若干狭かったためか血流を阻害した可能性が高い。行動中もきつさを感じ帰って風呂に入ると爪が横の指に刺さった傷が残っていた。
厳冬期は爪先のきついブーツは絶対履いてはいけない。またアキレス腱に小さなホッカイロを貼っておくのも効果的かもしれない。
グローブは厳寒仕様だったがインナーカフタイプのため手首からの冷えをカバー出来なかった。必ずオーバーカフタイプにすべきである。出来ればリストウォーマーなどで手首の保温をしておくべきだろう。
バラクラバ内の息が凍ることで目の周りを受傷しやすいので口穴を空けるなどの対策を施すこと。


治療
頬の凍傷は乾燥しないようアロエ軟膏を頻繁に塗っていたところ3日目に皮が剥け新しいぴんく色の皮膚が現れた。その後受傷部全体が黒ずんでいるが今のところ問題は無い。
足指が心配なので黒部五郎に行く前に皮膚科に行ったところ凍傷では無いと診断される。感覚が無いと強く訴えたところユベラNカプセル100mgを10日分とd-カンフルを処方される。
黒五ではゆったりしたブーツを履き休憩中も出来るだけ足指を動かした効果か悪くはならなかった。帰ってからインターネットで調べたところ明らかに凍傷の症状だったため処方された薬を服用し患部にd-カンフルを塗る。今日で下山3日目だがかすかに足指の感覚が戻りつつある。処置するのが遅かったら重度に移行していたかもと思うと恐ろしいことだ。


現場での処置方
凍傷と判断した場合、こすったり温めたりしないこと。温めることにより患部の腐敗が進むそうです。早目に下山し速やかに医師に診せること。メルクマニュアル参照
軽症だからと放置しないこと。わしの場合がこれです。これまで手指の軽度の凍傷は経験してますが医者に係れば早く根治します。


※正しい治療法については医師に相談されることをお勧めします。安易に山仲間の話しや経験談で判断せず出来れば県警山岳警備隊に専門医を紹介して貰うことも良いでしょう。
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by arzarez | 2012-02-21 21:55 | 凍傷